歯列矯正でアンカースクリューを検討しているものの、「本当に効果があるのか」「どんなトラブルが起こりうるのか」と不安を抱えている人も多いはず。
そんな方のため、本記事では実際の体験談から、アンカースクリューの効果やトラブル、かかった費用、具体的な治療の流れを詳しく紹介します。
アンカースクリューは、矯正治療をより効果的かつ短期間で完了させるのに有力で、実際に口ゴボ改善やガミースマイル治療に効果を感じています。
本記事を通じて、アンカースクリューに関する疑問を解消し、納得のいく治療選択をできるための参考になれば嬉しいです。
アンカースクリューの効果やリスクをしっかりと理解し、自信を持って矯正をスタートしましょう♪
- 2021年から歯列矯正中の20代アラサー
- 口元の突出(口ゴボ)がコンプレックス
- 審美性(見た目の美しさ)を大切にした歯列矯正にこだわる
歯列矯正用アンカースクリューとは?
歯列矯正を行う際、歯の移動をサポートするために「アンカースクリュー」という小さなインプラントが使われることがあります。
矯正用スクリューは、顎の骨に直接埋め込まれ、歯を動かすための固定点として機能します。
一般的なワイヤー矯正やブラケット矯正だけでは難しい移動を可能にし、治療の精度を高める役割があります。
アンカースクリューは通常、チタン製で非常に小型(数ミリメートル)です。
局所麻酔を使って簡単に埋入され、矯正治療が終了すると同時に取り除かれるため、体内に長期間残るものではありません。
スクリューの埋入は、比較的短時間で終わり、手術自体の痛みは最小限ですよ。
ネジを埋め込む恐怖があったけど、今ではすっかり馴染んでいます。
私が歯列矯正でアンカースクリューをした理由
私がアンカースクリュー矯正をした理由は、口元が前に突き出ている「口ゴボ」改善のため。
抜歯後にアンカースクリューを使用することで、前歯を大きく下げることが期待でき、矯正期間の短縮にもなりますよ。
関連記事:口ゴボ矯正のビフォーアフター
アンカースクリューなしでも矯正は可能ですが、奥歯の装置を起点にして前歯を下げていくため、同時に奥歯も前に動いてしまいます。
奥歯と前歯の綱引き状態になってしまい、トータルで前歯が下がる距離が少なくなってしまうデメリットがあります。
アンカースクリューが支点となって前歯を下げてくれるため、口ゴボ改善にも効果的。
また、ガミースマイル悪化に伴い、同時にガミースマイルの治療も行うことにしました。
ガミースマイルは、笑ったときに歯茎が過度に見える状態のことを指します。
ガミースマイル治療に使うアンカースクリューは、口ゴボ治療用のアンカースクリューとは別の場所に埋入していますよ。
関連記事:矯正でガミースマイル悪化?
【画像】アンカースクリュー矯正の変化
矯正治療を開始する前の口元と、アンカースクリューを使用した治療後の変化を見比べてみると、その効果は一目瞭然です。
ビフォーアフターの写真もあわせて、体験談を紹介していきますよ。
口ゴボ治療のビフォーアフター
口ゴボだった私の口元は、アンカースクリューによって大きく改善してきました。
アンカースクリューは矯正開始から約10ヶ月後に開始しました。
治療前は、口元が突き出ており、横顔のラインにコンプレックスを抱いていました。
アンカースクリューによって口元を下げることで、顔全体のバランスが整ってきましたよ。
口ゴボ治療のためのアンカースクリューは、上顎の内側に埋入しています。
舌が触れる位置のため、最初は違和感がありましたが、今ではすっかり慣れましたよ。
ガミースマイルの治療でもアンカースクリューを埋入
歯列矯正をしていると、ガミースマイルが悪化してきてしまいました。
これは、口元が下がると同時に、歯茎ごと下向きにも動いてしまったためだと言います。
関連記事:矯正でガミースマイル悪化?
そこでガミースマイルも同時に治療を行うことになり、矯正開始から約1年半経った頃、アンカースクリューをまた別の箇所に埋入しました。
埋入箇所は、上の前歯の歯茎なので、思いっきり笑うとアンカースクリューが見えてしまいます。
ガミースマイル治療のためには、アンカースクリューを使用するケースが多く、上の前歯の歯茎周辺に埋入します。
アンカースクリューを支点に、上の前歯を上方向に引き上げ、歯茎の露出を目立たなくさせることが可能です。
今のところ、やや改善が見られていますが、まだガミースマイルが気になるため、今後の経過も更新予定です。
アンカースクリューが必要なケース
アンカースクリューが必要とされるケースはさまざま。
特に、以下の場合にその使用が推奨されます。
- 口ゴボの改善:前述の通り、口ゴボを改善するために、アンカースクリューは非常に効果的です。
- ガミースマイルの矯正:歯茎の露出を抑えるために、上顎の歯を後ろに引っ張る必要がある場合。
- 上下顎のバランス調整:顎の歪みや上下顎のバランスが悪い場合に、精密な歯の移動が必要なケース。
- 非抜歯矯正:抜歯を避けるために歯を効果的に移動させたい場合。
- 治療期間の短縮:通常の矯正よりも早く結果を出したい場合、アンカースクリューは非常に有効です。
アンカースクリューが適応どうかは矯正医の判断のため、まずはクリニックに相談してみましょう。
アンカースクリューをして良かった・悪かった体験談
アンカースクリューを使っていて、良かったこと、悪かったことの体験談を紹介します。
アンカースクリューにはリスクもあるため、矯正医とよく相談して決めるようにしましょう。
アンカースクリューのメリット
アンカースクリューを使用することで、私が感じたメリットについて、以下に良かった体験談をまとめました。
- 矯正期間を短縮できる
- 口ゴボがかなり改善した
- 埋入手術はすぐ終わる
治療期間を短縮できる
アンカースクリューのメリットとして、矯正期間を短縮することができます。
アンカースクリューは、通常の矯正治療と比べて、歯を迅速かつ正確に動かすことができます。
口ゴボがかなり改善した
アンカースクリュー矯正の良かった体験談で、一番のメリットは口ゴボの改善です。
もともとコンプレックスだった口元の突出が、アンカースクリューによってだいぶ横顔が整ってきました。
私の場合、親知らずを含めて8本の抜歯をしているため、その分の歯の移動スペースもありました。
歯列矯正で口ゴボが改善するのか疑問な人も多いと思いますが、症状によっては抜歯とアンカースクリューで改善可能ですよ。
関連記事:口ゴボ矯正のビフォーアフター
埋入手術はすぐ終わる
アンカースクリューの良かったと思う体験談の一つに、埋入手術が思っていたよりも簡易的だったことがあります。
アンカースクリューは矯正用ネジを歯茎に埋め込むため、イメージするとけっこう怖いですが、手術自体は10分程度で終わります。
麻酔を注射してから埋め込むため、痛みは耐えられる程度です。
ただ私は麻酔注射が苦手なので、もうやりたくはない…。
アンカースクリューのデメリットやリスク
一方で、アンカースクリュー体験談のデメリットやリスクも存在します。
- 埋入時の違和感
- 抜け落ちてしまった
- 感染リスクがある
- 歯根吸収や歯肉退縮のリスクがある
- 費用がかかる
埋入時の違和感
アンカースクリュー体験談で、一番嫌なのが、「痛みや違和感」です。
埋入手術自体は、痛みを強く感じる人は少ないですが、歯茎に埋め込まれていく圧迫感を感じます。
圧迫感は埋入後、数時間程度でおさまりましたが、その後もしばらくは口腔内に異物がある違和感に慣れませんでした。
とくに1回目は、アンカースクリューが舌にちょうどぶつかる位置でとても痛く、食事がとにかくしづらく大変でした。
ちなみに、アンカースクリューの位置は移動して、現在は違和感なく過ごせていますよ。
ただ、前歯を強く引っ張ているため、最初は前歯が動く痛みがあります。
しばらく前歯を使う食事は痛いので、サンドイッチとかなるべく避けるようにしましたよ。
埋入後に痛みが続く場合は、矯正歯科へ相談するようにしましょう。
抜け落ちてしまった
アンカースクリューの失敗談として、一度スクリューが抜け落ちてしまったことがありました。
はじめてアンカースクリューを入れた後、しばらく痛みが続き、だんだんぐらついてきて、ぽろっと…。
取れるときは痛くなかったのですが、ぐらついているときは食事も大変でした。
すぐに矯正歯科へ連絡して、場所を少しずらして再度埋入しました。
私の通っている矯正歯科では、アンカースクリューの再手術や取り外す費用は含めれていたため、追加費用がかからず済みましたよ。
アンカースクリューを埋入する場所によっても、安定しにくい場合があるため、経験豊富な医師に任せるのが安心ですね。
感染リスクがある
スクリューが歯茎に埋め込まれるため、感染のリスクがあります。
私の場合、特に大きな問題はありませんでしたが、清潔な口腔内環境を保つことが重要ですよ。
歯根吸収や歯肉退縮のリスクがある
アンカースクリューは強い力で歯を移動させるため、歯根吸収や歯肉退縮のリスクがあります。
ガミースマイル治療の際、「前歯を上に引き上げた時に、歯の根っこが吸収されてしまうリスクがある」と説明を受けました。
私は歯根が比較的長かったのもあり、歯根吸収によるデメリットが少ないと判断して、治療をスタートしました。
健康な歯や歯茎への影響についても、矯正医と相談して決めることが大切ですよ。
費用がかかる
アンカースクリュー埋入にかかる費用は、矯正歯科によって異なりますが、1本あたり数万円程度と、けっして安くはありません。
矯正歯科によってはトータル費用で、アンカースクリューの料金も含めれている場合がありますが、追加費用で請求される場合は注意が必要です。
あらかじめ、矯正全額でどのくらいかかるのか、見積もりの際に確認しておくようにしましょう。
アンカースクリューにかかった費用
アンカースクリューの費用は、クリニックや治療の内容によって異なります。
私が通ったクリニックでは、スクリュー1本あたり44,000円かかりました。
これには、埋入手術の費用のほか、再手術の場合の費用、矯正完了後の撤去費用も含まれています。
一般的には総額に含まれることが多いですが、事前にクリニックに確認しておくとよいでしょう。
私がアンカースクリューにかかった総額は、176,000円でした…。
内訳としては、以下の通りでです。
- 口ゴボ治療:44,000円×2本=88,000円
- ガミースマイル治療:44,000円×2本=88,000円
アンカースクリュー治療だけでも、かなりの費用がかかったため、事前にカウンセリングの見積もりで確認しておくことがおすすめですよ。
具体的な流れ|アンカースクリュー埋入手術の体験談
アンカースクリューの開始時期や、具体的な手術の体験談について紹介していきますよ。
アンカースクリューの開始時期
口ゴボ改善のためにアンカースクリューを始めたのは、矯正を開始してから約10ヶ月が経った頃。
それまでは、抜歯をしたり、歯の左右バランスを整えたりしました。
前歯のバランスを整える
少し斜めになっているところを綺麗に
抜歯後、犬歯を後ろに移動させる
犬歯の後ろの歯を抜いて、犬歯を後ろにスライドさせていきます<ここまで約半年>
奥歯の位置を整える
奥歯のバランスを整えます<8カ月~9ヵ月目>
アンカースクリュー矯正開始
アンカースクリューを埋入して一気に後ろに引っ張ていく<10ヶ月目~>
そして矯正開始から約1年半が経った頃には、ガミースマイル改善のためのアンカースクリューも開始しましたよ。
アンカースクリュー埋入手術の流れ
アンカースクリューの埋入手術は、以下の流れで行われました。
麻酔
表面麻酔→麻酔注射の順で麻酔をします。
アンカースクリューの埋入(5~10分程度)
アンカースクリューを歯茎に埋め込みます。
私は上顎に2本入れましたが、左右連続で行い、各数分程度でした。
アンカースクリューの埋入はあっという間で、抜歯よりも簡単な印象です。
レントゲンで位置をチェック
最後にレントゲンを撮り、ちゃんと歯根の間に収まっているかをチェックします。
ここで場所が悪いと、位置を調整して再度埋入となることがあります。
アンカースクリュー設置後にトラブル発生!失敗&対処の体験談
アンカースクリュー設置後の失敗談として、デメリットでも挙げましたが、スクリューが抜け落ちてしまい、再度埋入となりました。
アンカースクリューを埋入から約1週間後に1本が抜け落ち、さらにもう1本は腫れていたので矯正歯科で抜きました。
この1週間は痛みもあって、食事をするのが辛かったです。
抜けてしまった原因は矯正医によると、「埋入場所の骨が薄く柔らかいため安定しなかった」とのことです。
特に女性や若い年齢の人は骨が柔らかく、アンカースクリューが緩みやすくなってしまうようです。
また、腫れは炎症を起こしていることが要因のため、うがいや優しいブラッシングで清潔に保つことが大事ですよ。
また麻酔からやり直しなのか…と少しショックでした。
位置を少しずらして再度埋入手術を行い、その後は問題なく治療を続けることができましたよ。
アンカースクリューは歯茎の歯根と歯根の隙間に埋め込むため、経験豊富な矯正医に任せることが大切です。
アンカースクリュー以外で矯正治療を短縮する方法
アンカースクリュー以外にも、矯正治療を短縮する方法はいくつかあります。
- 加速矯正補助装置の使用:オルソパルスなどの矯正装置を使用することで、歯の移動を早め、治療期間を短縮することが可能です。
- 外科的処置:場合によっては、外科的処置を併用することで治療を加速させることができますが、リスクも伴います。
- 歯を削る:スペース確保のために、歯の状態に合わせて複数の歯を削ります。
上記の方法にはデメリットやリスクもあるため、矯正の期間をできるだけ短くしたい人は、矯正医とよく相談してみましょう。
矯正歯科によって得意とする矯正方法が違うため、複数のクリニックへカウンセリングに行くことが重要です。
アンカースクリュー体験談におけるよくある質問
アンカースクリュー矯正の体験談を紹介してきましたが、ここでは、よくある質問について解説していきますよ。
アンカースクリューの痛みは?どれくらい続くの?
埋入時の痛みは比較的少なく、術後の痛みも軽度でした。
痛みが続く場合や、ぐらつきがある場合は、クリニックに相談することをお勧めします。
個人的には、下の親知らず抜歯の方が痛かったです。
アンカースクリューが安定するまでどのくらいかかる?
スクリューが安定するまでの期間は、個人差がありますが、通常は1週間程度です。
その間は固い食べ物を避け、無理に噛まないように注意しました。
今では口の中の一部として、違和感がほとんどなく過ごせていますよ。
アンカースクリューが当たって痛い場合、どうすればいいの?
スクリューが口内に当たって痛みがある場合は、早めにクリニックで位置調整をしてもらうこともおすすめです。
私は1回目のアンカースクリューが舌に当たってあまりにも痛かったのですが、しばらくして抜け落ちて位置を移動しました。
痛みを緩和させる方法として、矯正用ワックスを被せることも有効ですよ。
食事中は外れやすいですが、通常時は役立ちます。
アンカースクリューを打つことができない人は?
骨が非常に薄い場合や、健康状態によってはスクリューの埋入が難しいことがあります。
私は骨が柔らかくて抜け落ちやすく、もしかしたら難しいかもしれないと言われました。
今では問題なく安定しましたが、女性や若い人は骨が柔らかい人が多いようですね。
事前に矯正医に相談し、適応を確認してください。
アンカースクリュー矯正は食事しにくい?
術後しばらくは固いものや刺激物を避ける必要がありますが、通常の食事には数日で慣れました。
食べるものによっては、アンカースクリューに絡まることも多いです。
特に、ほうれん草や繊維質なもの、お肉なども絡まりやすいですね。
アンカースクリューを外すときの痛みは?
スクリューを外すときの痛みは、埋入時よりも軽かったように感じます。
私は麻酔を使わずに外しましたが、違和感はあるものの、麻酔注射をするより痛みはマシでした。
麻酔を使用できることもあるため、不安な人は相談してみてくださいね。
アンカースクリューなしでも効果ある?
症状によっては、アンカースクリューなしでも治療は可能ですが、治療期間が長引いたり、結果が劣ることがあります。
メリット・デメリットを比較して、自分に合った矯正方法を矯正医に提案してもらいましょう。
関連記事:マウスピース矯正で口ゴボ改善
アンカースクリューの適応や効果はクリニックで相談してみましょう
アンカースクリューの体験談を紹介しましたが、コンプレックスだった口ゴボがかなり改善でき、やってよかったと効果を実感しています。
アンカースクリューは、効果的な矯正治療を行うための重要なツールです。
しかし、適応や効果には個人差があり、デメリットやリスクもあります。
自身の治療計画に最適な方法を見つけるためにも、まずは矯正医とよく相談することが大切。
クリニックによって得意とする矯正方法や、治療方針が異なるので、いろいろな矯正歯科にカウンセリングに行って検討してみてくださいね。
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